2024年9月9日 • 5分で読めます
日本のBitcoin税制:最大55%から20%へ大幅引き下げ
要点
この記事では、日本の現行の暗号資産税制と、Bitcoinをはじめとするデジタル資産に大きな影響を与える可能性のある改正案について解説します。
基本データ
| 現行の最高税率 | 55% |
| 提案されている一律税率 | 20% |
| 所得税の税率範囲 | 5%〜45% |
| 住民税 | 10%(道府県民税4% + 市町村民税6%) |
| 申告が必要となる基準 | 200,000円 |
| 所得区分 | 雑所得 |
| 提案者 | 金融庁(FSA) |
| 提案されている損失の繰越期間 | 3年間 |
| Metaplanetの保有量(2024年8月20日時点) | 360.4 BTC |
Bitcoinと暗号資産に対する日本の課税のあり方は、ここ数年大きな関心を集めてきました。テクノロジーに精通した国民と先進的な金融政策で知られる日本では、暗号資産への投資や仮想通貨の取引が急増しています。しかし、暗号資産の利益に対する現行の課税方法は、多くの投資家や業界関係者にとって論争の的となってきました。
本記事では、暗号資産の税率を55%から20%に引き下げるという金融庁の提案を取り上げ、この変更を後押しする働きかけについて検証するとともに、こうした動きがあなたの暗号資産ウォレットや日本円での投資にとって何を意味するのかを考えます。
Bitcoin、Ethereum、その他の暗号資産のいずれに関心がある方でも、日本の暗号資産シーンに関わるすべての人にとって、こうした変更の可能性を理解しておくことは非常に重要です。
日本の現行の暗号資産税制を理解する
日本の暗号資産の課税方法は、かなり複雑に感じられるかもしれません。日本の国税庁(NTA)は、資金決済法(PSA)と金融商品取引法(FIEA)のもとで暗号資産を財産とみなし、雑所得として課税しています。
暗号資産の利益に対する現行の税率
暗号資産で200,000円(1,405米ドル)を超える利益を得ている場合は、日本の累進課税制度に注意する必要があります。暗号資産の利益を含む雑所得に対する税率は、所得区分に応じて5%から45%までです。
これに加えて、10%の住民税(道府県民税4%と市町村民税6%)を納める必要があります。つまり、暗号資産の利益に対する実効税率は15%から55%のいずれかになります。税率区分の内訳は次のとおりです。

暗号資産の分類
日本では、暗号資産は税務上、財産として扱われます。この分類は、暗号資産に関連するさまざまな活動に適用されます。
- 売買による利益
- マイニングによる収入
- ステーキング報酬
- DeFiレンディングによる収益
課税対象となるのは、取得時点での暗号資産の時価です。なお、暗号資産を使って商品やサービスの代金を支払った場合も課税対象となる点に注意が必要です。
投資家が直面する課題
暗号資産に対する高い税率は、日本の投資家にいくつかの課題をもたらしています。主な問題は次のとおりです。
- **所得の過少申告:**高い税率が原因で、暗号資産の利益を過少申告する人も出ています。
- **監視の強化:**過少申告を受けて、日本は暗号資産に関する税務調査を強化しています。
- **法的な処罰:**2021年、日本で初めて暗号資産の脱税者が裁判にかけられ、懲役1年と多額の罰金が科されました。
- **複雑な会計処理:**国税庁は、移動平均法と総平均法という2つの取得価額の計算方法を認めています。個人の納税者の場合は総平均法が原則ですが、その計算は複雑になることがあります。
金融庁の改正案
うれしいことに、日本の金融庁(FSA)は、国の暗号資産税制を抜本的に見直す画期的な提案を打ち出しました。この改正は、暗号資産分野の個人投資家と法人投資家の双方にとって、より有利な環境を整えることを目的としています。
一律20%の税率案の詳細
金融庁の提案は、暗号資産の利益に対する税率を大幅に引き下げるものです。最大55%に達する現行の累進課税制度に代わり、同庁は暗号資産の利益に一律20%の税率を適用することを求めています。この税率案は、現在最大20%で課税されている株式などの伝統的な金融資産の課税方法と一致しています。
伝統的な金融資産の課税との整合
金融庁の立場は明確です。暗号資産は、国民にとって有力な投資先となりうる金融資産として扱われるべきだというものです。8月30日の税制改正要望で、金融庁は「暗号資産取引に係る課税上の取扱いについては、暗号資産を国民の投資対象となるべき金融資産として取り扱うべき」と述べています。こうした見方の転換は、日本におけるデジタル資産の捉え方と課税のあり方に大きな影響を与える可能性があります。
暗号資産の普及への潜在的な影響
この税制改正が実施されれば、日本での暗号資産の普及が大きく後押しされる可能性があります。現在の高い税率は、多くの潜在的な投資家にとって足かせとなってきました。税負担を軽減することで、金融庁は次のことを目指しています。
- より多くの個人が暗号資産に投資するよう促す
- 暗号資産関連企業を日本に呼び戻す
- 国内の暗号資産セクターの成長を促進する
なお、執筆時点では、この提案はまだ初期段階にありました。法律として成立するには、衆議院と参議院の両方で承認される必要があります。とはいえ、金融庁がこの変更を推し進めていること自体、日本における暗号資産の将来にとって前向きな兆しといえます。
Metaplanet株:日本でBitcoinへのエクスポージャーを得るための代替手段
日本の大手テック企業であるMetaplanetは、2024年にBitcoinを財務資産として保有する方針を採用し、税効率よくBitcoinへのエクスポージャーを得たい投資家にとって重要な代替手段となりました。
2024年8月20日時点で、Metaplanetは360.4 BTCを保有しており、これは同社の時価総額の14.59%に相当します。合計2,200万ドル以上にのぼる同社の段階的なBitcoin取得により、日本の投資家は、日本の高い暗号資産税率の対象とならずに、Bitcoinの値動きから間接的に恩恵を受けることができました。
Metaplanetに投資することで、株主はBitcoinへのエクスポージャーを得ながら、暗号資産を直接保有した場合に課される最大55%という高い税率ではなく、株式に適用される20%という低い譲渡所得税率の恩恵を受けることができたのです。
暗号資産の税率を55%から20%に引き下げるという日本の税制改正案が承認されれば、投資の構図が変わる可能性があります。暗号資産への直接投資の税効率が高まるため、Metaplanetのような株式を通じた間接的なエクスポージャーの必要性は薄れるかもしれません。それでも、Metaplanetのブロックチェーンを軸としたイノベーションと戦略的なBitcoin準備金は、幅広いテックセクターにおいて同社を魅力的な投資先に位置づけ続けるでしょう。
業界による働きかけと過去の改正の試み

日本ブロックチェーン協会の取り組み
日本では、暗号資産の税制改正を求める働きかけが何年も前から続いています。その先頭に立ってきたのが、暗号資産推進派のロビー団体である日本ブロックチェーン協会です。同協会は2023年、暗号資産に対する税率の引き下げを政府に正式に要望しました。さらに働きかけを一歩進め、7月19日には2025年度の暗号資産に関する税制改正要望を提出しました。その狙いは、日本の暗号資産セクターの成長を促進することです。
過去の税制改正の提案
日本ブロックチェーン協会の提案は、かなり具体的な内容となっています。株式などの伝統的な金融資産の課税方法と足並みをそろえ、暗号資産に一律20%の税率を適用することを提案しています。さらに、3年間の損失の繰越控除も提案しています。これらの提案は、暗号資産分野の個人投資家と法人投資家の双方にとって、より有利な環境を整えることを目的としています。
これまで失敗してきた理由
こうした粘り強い取り組みにもかかわらず、これまでの改正の試みは政策の変更には結びつきませんでした。暗号資産に対する高い税率は、意図しない結果も招いています。日本では多くの人が所得を過少申告するようになり、暗号資産に関する税務調査が強化されました。2019年には、約50人の個人と30社の企業が、過去の年度の暗号資産による所得を適切に申告していなかったことが判明しています。
中には、巧妙な会計処理によって所得の総額を隠そうとした企業もあります。たとえば、2社が数百万円相当の仮想通貨を「コンサルティング料」として送金した後、その大半を送金元に返還することで、暗号資産の利益を隠そうとしました。これにより、その手数料を経費として計上し、法人所得税を減らしていたのです。
事態の深刻さが浮き彫りになったのは2021年のことです。日本で初めて暗号資産の脱税者が裁判にかけられ、懲役1年と2,200万円を超える多額の罰金が科されました。
まとめ
最大55%に達する累進課税制度から一律20%の税率へと暗号資産の課税を転換するという日本の提案は、国内のデジタル資産の状況に革命をもたらす可能性を秘めています。金融庁と業界の推進者たちが後押しするこの変更は、暗号資産の扱いを伝統的な金融資産にそろえることを目指しており、普及と投資を押し上げる可能性があります。また、この動きは、業界を悩ませてきた脱税や複雑な申告要件といった課題への対処にも影響を与えるかもしれません。
まとめると、暗号資産の課税に対する日本の姿勢の変化は、デジタル資産をどのように規制し、金融システムに組み込むかという課題に各国が取り組んでいる大きな流れを反映しています。この提案が立法プロセスを進むなか、その結果は投資家、企業、政策立案者のいずれからも注視されることになるでしょう。この税制改正が実施されれば、イノベーションと規制による監督のバランスを取りながら、日本が暗号資産活動にとってより魅力的な拠点となる道が開けるかもしれません。
どのように調べたか
検証方法
本記事は、国税庁が暗号資産の利益を累進課税の雑所得として扱い、これに住民税が加わるという日本の公表された暗号資産税制の枠組みと、一律20%の税率を求める金融庁の税制改正要望に基づいています。また、日本ブロックチェーン協会の税制改正要望、報道された税務調査・摘発の事例、Metaplanetが開示したBitcoin保有量も引用しています。執筆時点でこの提案は法律として成立しておらず、成立には衆参両院の承認が必要です。本記事は一般的な情報であり、税務上の助言ではありません。最新の規則を確認するか、税理士などの専門家にご相談ください。
FAQ
よくある質問
日本では現在、暗号資産はどのように課税されていますか?
金融庁の暗号資産税制の提案では何が変わりますか?
暗号資産の20%の税率はすでに法律になっていますか?
日本ではどのような場合に暗号資産の税金を納める必要がありますか?
日本ブロックチェーン協会はどのような提案をしていますか?
なぜMetaplanetが日本の暗号資産税制の議論と結びつけられるのですか?
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